心を種として



001、風  ~空気に溶け込んでいるもの

春の夜の寝やのあかりに屏風絵の旅人すこし近づいてをり   くろ
なにか起こりそうな含みの在る「春の夜」に、「旅人すこし近づいてをり」というミステリアスな現象がぴったりだと思う。
空気と言うか雰囲気に、とても心惹かれる。

ゆうぐれの風にページを捲られて見たことのない夜の幕開け   佐原みつる
ドラマティックな出来事が待っていそうで静かに興奮。

駆け上る土手の草の香春の風卒業証書の筒投げてみる   水都 歩
中学の卒業式を思い出す。ああ、私も走りたい。

風と手をつないだままでかけおりる魔法が使えるひとの気分で   末松さくや
児童書の当時人物になりきって、「Wingardium Leviosa!」って言いたい。

前髪をふたつに裂いてのびる風やっとあなたに触れた告白   ぱぴこ
前髪裂けたのは――告白されてハッと息をのんだほう?それとも思いをまっすぐにぶつけたほう? 風が届いて良かった。

詰問には沈黙を返す 西風が見てきたような嘘はつかない   遠山那由
なんて真摯に不器用な人なんだろう。誤解されそうな実直さが、ちょっと新鮮。

僕は その 産まれる前の前の前 風だったんだ 思い出したよ  風十
幼いこどもは、本当にそんなことを言いそう。風だった君と人として出逢えることは、なんて幸せなんだろう。

眼球のおもてを風がふれて行きわれのかたちの粒子動きだす   黄菜子
自分の身体も粒子。時々ふっとかすめて去る事実。

くちびるを飛び去る風がまぎれもなく声のかたちであるのに気づく   笹井宏之
風は歌で、言葉である前に、「声のかたち」なのだなぁ。
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by sorano-anata | 2006-09-07 19:29 | 鑑賞~100首題詠
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